第4代 近藤 邦雄
インターネットや情報技術の発展により、生活環境も大きく変化し、多様化・高度化しています。そのなかでデジタルアートアンドデザインは、これまでにない価値・産業を 新たに生みだしており、多様で持続性のある社会の構築への貢献を高めています。このような社会の変化にしなやかかつ戦略的に対応するためには、アジアの力を繋ぎ、横断的なネットワーキングによって、深い専門性に加え多様な方法論や技術の持続的研鑽を行う活動が求められます。
このことが、まさにADADAの目的とする「メディアテクノロジーを基盤とした、芸術やデザイン分野における創造活動および学術的研究を推進するとともにアジアにおける特有な文化的特性を共通の問題として捉える」ような学会の役割です。アジアデジタルアートアンドデザイン学会日本は、ADADA韓国、韓国融合デザイン学会とともに、ADADA Internationalと冠したアライアンスを結成して、国際的な活動を継続してきました。そこで、2016年度は、次の4つのことを中心的課題として活動していきます。
(1) アジア諸国等との連携強化 韓国との強い連携を継続するとともに、アジア諸国の研究者と連携して、ADADA internationalのアライアンスメンバーとなることを支援します。これによって、アジア諸国の本会の研究分野の発展を目指します。また、世界最大の芸術・デザイン大学の連合組織クムルス(Cumulus)への加盟を検討し国際的な活動を一段と活発に行うとともに、国内関連学会との連携強化をさらに推進します。
(2) 国際論文誌の充実 国際社会への一層の訴求力を持つことを願って、Vol.16よりWeb公開を行い、Vol.17からは年4回の刊行をしています。そして、2016年よりJ-Stageでも公開予定です。 さらに現在Scopus、Springer Openへの登録のための検討を行っています。これによって、国際的な研究活動の指標となり、質の高い論文の掲載を増加することを目指しています。
(3) ADADA Japanの活動の活性化 2014年からADADA Japan学術大会を行い、会員の研究発表の場の拡大、会員の交流の機会拡大を行ってきました。過去2回の大会の成果をもとに、さらに会員同士の研究交流の充実を進めます。
(4) 会員の増強 アートアンドデザイン分野の目覚ましい発展により、この分野の研究者は増加しています。国内の研究者や大学院生などの入会を勧めるようにして、この分野の研究をリードする組織を構築していきます。メディアアートやデザインを研究領域としている研究者、これからの担い手である大学院生等の若手の研究者・メディアアーテ ィストには是非入会して頂きたいと考えます。ADADA Internationalの趣旨と目的に賛同いただける方であれば、 ADADA Japanはどなたでも大いに歓迎いたします。
会員の皆様とともに、アートアンドデザイン分野の研究の発展に尽力したいと思います。何卒よろしくお願いいたします。