第5代 馬場 哲晃
第5代ADADA会長として、アジア地域におけるデジタルアートとデザインに関する学術研究において、ADADAが引き続きリーダーシップを発揮していくことを強力に推進してまいります。
国際的に見ても、アジアには経済的にも文化的にも急速な発展を遂げている国が数多くあります。特に日本は、第二次世界大戦の敗戦後、アジアで最も早く経済発展を遂げた国として知られています。しかしその一方で、公害や社会問題など、人間が犠牲となる多くの課題に直面してきました。
1990年代には、これらの問題によって日本経済は急速に減速し、私たちは自らの幸福を真剣に考えざるを得なりました。日本がアジアのリーダーであったという妄信的な自負を捨て去ることが今、私たち日本人に必要なことであると感じています。国境を越え、互いに対等な立場で創造することが必要とされています。デジタルアートとデザインの力で、アジアを豊かにする方法を皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
ADADAは国際的な学術団体であると同時に、アジア地域のアートとデザインの振興に貢献し、アジアの美しさを世界に発信する手段でもあります。多くの参加者がADADAをきっかけに世界とつながり、研究成果やデザイン作品、アートワークを発信する機会を持つことを願っています。
私は学生時代からADADAに参加していますが、ADADAは2023年に20周年を迎えました。日本以外の国がADADAを担う時代も、そう遠くないと思っています。